カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と図書館流通センター(TRC)の協業が解消するという記事。1
問題点は何?
協業解消となったポイントは何でしょう。
分類問題
図書館の分類方法は、小中学校の時に習った十進分類法で行われているところが標準というのはわかります。
CCCはこれを「ライフスタイル分類」という独自の方法でやっていきたいというところで仕込みを間違えたんですね。
システムを切り替えるには相応の仕込みが必要
既存の分類方法を変えると慣れの問題から「使いにくい」と感じるのは当然で、運用も含めて全部変更しなくてはなりません。 司書という資格があって、その運用システム自体を覆そうとするのだから転換がスムーズに行えるようなシステム構築がなされるべきだったと思います。
例えば
似たようなことは、歴史の浅いコンピュータ・アプリケーションでアプリケーション・システムを変更・更新・刷新する際にも起こることで図書館学の歴史を覆そうというのだから当然といえば当然です。
仮に、分類方法を置き換えたいのであれば、管理・運用方法をしっかりと組みつけることが大切だと思います。
例えば、書籍単体はICタグで管理するなりにして既存の蔵書管理や分類をカバーしつつ、さらに、独自分類で運用できるようなデータベース構造や検索の仕組みを作るとか。 それと、実際に書籍を見つけ出すための位置情報を含んだ配置管理方法などを仕込むべきでしょう。
本棚がタグを読みとり蔵書状況を構築するような方法だったり、検索アプリ連動や目的の場所へナビゲートする機能など。 オペレーション効率化するというのであれば、書棚へ戻す際の最短ルートと本の順列などに対応するなども必要かもしれません。
勘違いかな
おそらくは、イノベーションやリノベーションなどという用語につられて考えたのではないかと思っちゃいますが、歴史のある方法からの転換を行うためには相応の施策が必要だと思います。
蔵書問題
CCCは海老名市の図書館のテーマを「食こそ文化」として料理本を大量に集めているということでした。
ちょっと勘ぐってみる
このテーマ選定からして税金を使って自社の取り扱い在庫をうまく利用して売り上げにしようと考えているように思えてしまいます。
図書館は、”市民が自分では買えない、ほかでは容易に手にできない本を提供する”ということでいいんじゃないですか。
買える本なら、無理に蔵書しなくてもいいし。
そもそも、「料理本」ならTSUTAYAの書店・古本で売ればいいのであって、蔵書の予算使って売り上げようと思われるやり方は市民からは受け入れてもらいにくいでしょう。
結局の所
図書館の公共性とビジネスの収益性をうまく合わせもった形態を生み出すことがCCCの力量の見せ所じゃないかと思うのですけど。
CCCとTRCの場合は、よく言う「Win-Win」な関係(市と市民を含んでね)ができてないんですよね。
CCC&武雄市の場合には、話題性が重要だったのでオペレーションの中身の比重は低くても良かったと思うんです。 民間企業へ委託することが最大のテーマですから。
海老名市の場合は、図書館運営が本筋となるのでちょっと話が違いますね。
CCCだけが悪者でもないと思います
その点でいうと、CCCだけが悪者じゃなくてTRCにも協業することを選んだ責任はあると思います。 武雄市でのオペレーション問題が見えていたにもかかわらず、変えることができなかったんだから。
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