
原油価格の下落って、どに影響しているんでしょうか???
1バレル=50ドル割れであちこちからコラムもさらにでてきたようですのでいくつか読んでみました。

昨日に引き続き原油価格は落ちつづけ、40ドル台で取引

ニューヨークの原油先物価格は、今日も引き続き下がり続けて現在の取引は40ドル台後半となっています。
昨日、原油価格が50ドルを割ったことで、原油安のリスクに関する記事がいろいろと出てきました。
原油安のリスクについてまとめてみます。
原油価格下落による良い影響って何?
原油価格が下落するとどうなるか。
ダイヤモンド誌のコラムによると、原油価格が40ドル下落すると年間で130兆円以上の所得移転(世界中)があるそうです。
産油国へ入っていたお金が、消費国に残るということですね。
そうすると、日本への経済効果を1バレル=60ドルで算出した場合でGDPが0.1%上昇するということです。
単純計算すると、2012年の実質GDPが519兆円とすると5兆円くらいになるのでしょうか?
良い効果が強いようですね。
原油価格の下落の悪影響ってなんだろう?
ロシアの経済状態の悪化?
産油国のロシアの通貨ルーブルの価値がさがっていることは頻繁に目にするようになりました。
ロシアは産油国ですので、原油価格が高くなれば収益が増えるんですね、下がれば当然収益も減ります。
原油価格の下落とロシアへの経済制裁によって、ロシアの経済が悪化すると思われてルーブルが売られることになりルーブル安が進んだということのようです。
ただ、ロシアは過去に通貨危機に陥ったことがあって(1998年)、外貨を40兆円くらい持っているため通貨危機にはなりにくいとのことです。
ですが、ドル建てで借り入れがあるのは民間企業ですのでルーブル安がつづけば、民間企業が破綻するかもしれないということがリスクと呼ばれている部分になるのでしょう。
ダイヤモンド誌の別のコラムによると、ルーブル安が急速に進んだ要因としてロシアの民間企業が早めにルーブルを売ってドルを買う行動に出たためとの見方もあると言っています。
結局のところ、「よくわからないけど注目しておこう」と読めます
そうは言っても、
長期的に原油価格が安い状態が続くと、ロシアには収益が少なくなるため経済状態は悪くなります。
そうすると、取引のある国(中国、ドイツ、イタリア、アメリカ)などからの輸入が減ることになり、それらの国も収益が減ってしまいます。
昨日の東証平均株価やドル・円為替が動いているのは、
「もしかしてだけど、破綻するかもしれない」から損がでないように安全なところにお金を持って行きましょう(リスク回避)という行動が起こっているとうことになるのでしょうね。(原油安だけが要因ではないですが)
ルーブル安が他の通貨へ影響するかもしれない(通貨危機)
ルーブルが安くなったことが他の通貨へ影響するかもしれないということが考えられます。
1997年にタイ国の通貨バーツから始まった価値の下落が他国へ広がって、タイ、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、香港の通貨価値が下がってしまったことで経済に影響が出たことをいいます。
この余波が、ブラジルやロシアへ広がって多くの国で経済状態が悪くなったことが「アジア通貨危機、ロシア通貨危機、ブラジル通貨危機」ですね。
ルーブル安が引き金となって、同様の状態になる可能性があるということがもう一つのリスクです。
「ロシアの経済が悪化する」「ルーブル安が引き金となって金融危機になる」可能性がある点が悪影響ですね。
他には?
三菱USJ銀行のレポートによると、アメリカの石油・ガス採掘業の稼働率・生産が減少したそうです。
この石油・ガス採掘業の投資は、過去3年間の平均で実質GDPを0.1%上昇させてきたそうです(アメリカのGDPですから日本よりとっても多い金額)。
ということは、アメリカ経済にも影響がでる可能性があると言っています。
ここも、「可能性がある」と言っているだけでアメリカ経済全体に影響があったわけではないようですが。
GDPを上げるだけの投資効果ですから、経済的な影響が出る可能性は小さくないということが「リスク」になりますね。
アメリカには他にもいろいろな業種がありますから、原油価格が下がったことで利益がでる業種もあるでしょうから単純に経済が悪くなるというと判断が難しいのでしょう。
それでこれも、「注目しておく必要がある」となるんですね。
結局、原油安で悪影響はでているの???
いくつかのコラムや資料を見てみましたが、業種で収益が下がっていることはあっても非常にヤバイ状態にはなってはいないように思います。
シェールオイルやガスの採掘業も下がったとはいえ稼働率は96%くらいあります。
私的には、
原油安、「やったぁ〜もっと下がれ」と喜んでいて大丈夫そうでわ!
参照資料
・最大の注目点は原油価格急落の“光“と“影”(ダイヤモンド・オンライン)
・今の相場を下落させている2大要因「ギリシャ不安」と「原油安」が実はそれほど心配ない理由(ZAI online)
・シェールオイル:原油安で募る不安…計画の縮小や延期も(毎日新聞)
・原油安によるルーブル急落が世界経済に及ぼす三つのリスク(ダイヤモンド・オンライン)
・サマーズ氏:米原油輸出解禁ならガソリン価格はさらに下落へ(ブルームバーグ)
・経済マンスリー(米国)(三菱USJ銀行)
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